国立大学法人 総合研究大学院大学 規程集(学外)

トップページに戻る
最上位 > 第7編 大学教育研究
障害を理由とする差別の解消の推進に関する教職員対応要領
平成28年3月30日
大学規則第2号 
一部改正 28.6.29/29.6.28  
(目的)
第1条 この要領(以下「対応要領」という。)は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)第9条第1項の規定に基づき、 障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27年2月24日閣議決定)に即して、国立大学法人総合研究大学院大学(以下「本学」という。)の教職員が適切に対応するために必要な事項を定めることを目的とする。 
(定義) 
第2条 この対応要領において、以下の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 
一 障害者 障害者基本法(昭和45年法律第84号)第2条第1号に規定する障害者、即ち、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(難病に起因する障害を含む。以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものとし、本学における教育及び研究、その他本学が行う活動全般において、そこに参加する者すべてをいう。
二 社会的障壁 障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。 
三 教職員 本学の職員並びに本学の教育研究に従事するものとして大学共同利用機関法人人間文化研究機構、大学共同利用機関法人自然科学研究機構、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「機構等法人」という。)の長の申し出に基づき学長に任命された教員(以下、「担当教員」という。)をいう。 
四 部局及び部局長 部局とは各研究科、附属図書館、学融合推進センター、学術情報基盤センター及び事務局をいい、部局長とはそれぞれの長をいう。
(障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方)
第3条 この対応要領において、不当な差別的取扱いとは、障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、教育及び研究、その他本学が行う活動全般について機会の提供を拒否し、又は提供に当たって場所・時間帯などを制限すること、障害者でない者に対しては付さない条件を付けることなどにより、障害者の権利利益を侵害することをいう。なお、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別な措置は、不当な差別的取扱いではない。
2 前項の正当な理由に相当するか否かについては、単に一般的・抽象的な理由に基づいて判断するのではなく、個別の事案ごとに、障害者、第三者の権利利益及び本学の教育及び研究、その他本学が行う活動の目的・内容・機能の維持等の観点に鑑み、具体的な状況等に応じて総合的・客観的に検討を行い判断するものとし、教職員は、正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を説明し、理解を得るよう努めなければならない。 
3 この対応要領において、合理的配慮とは、障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過重な負担を課さないものをいう。 
4 前項の過重な負担については、単に一般的・抽象的な理由に基づいて判断するのではなく、個別の事案ごとに、以下の各号の要素等を考慮し、具体的な状況等に応じて総合的・客観的に検討を行い判断するものとし、教職員は、過重な負担に当たると判断した場合には、障害者にその理由を説明し、理解を得るよう努めなければならない。 
一 教育及び研究、その他本学が行う活動への影響の程度(その目的・内容・機能を損なうか否か) 
二 実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約) 
三 費用・負担の程度 
四 本学の規模、財政・財務状況 
(障害を理由とする差別の解消に関する推進体制) 
第4条 本学における障害を理由とする差別の解消の推進(以下「障害者差別解消の推進」という。)に関する体制は、以下の各号のとおりとする。 
一 最高管理責任者 学長をもって充て、障害者差別解消の推進及びそのための環境整備等(施設等のバリアフリー化の促進、必要な人材の配置、障害のある入学希望者や学内の障害のある学生等に対する受入れ姿勢・方針の明示、情報アクセシビリティの向上等)に関し、本学全体を統括し、総括監督責任者及び監督責任者が適切に障害者差別解消の推進を行うようリーダーシップを発揮するとともに、最終責任を負うものとする。 
二 総括監督責任者 教育を担当する理事又は副学長をもって充て、最高管理責任者を補佐するとともに、教職員に対する研修・啓発の実施等、本学全体における障害者差別解消の推進に関し必要な措置を講ずるものとする。 
三 監督責任者 部局長をもって充て、当該部局における障害者差別解消の推進に関し責任を有するとともに、当該部局における監督者を指定し、当該部局における障害者差別解消の推進に必要な措置を講ずるものとする。 
四 監督者 監督責任者の指定する者(各研究科においては専攻長又は副専攻長)をもって充て、監督責任者を補佐するとともに、次条に規定する責務を果たすものとする。 
2 次の各号の研究科に係る事項については、大学本部及び当該研究科の専攻が当該機構等法人との緊密な連係協力の下、障害者差別解消の推進を図るものとする。 
一 文化科学研究科        人間文化研究機構 
二 物理科学研究科        自然科学研究機構及び宇宙航空研究開発機構 
三 高エネルギー加速器科学研究科 高エネルギー加速器研究機構 
四 複合科学研究科        情報・システム研究機構 
五 生命科学研究科        自然科学研究機構及び情報・システム研究機構 
(監督者の責務) 
第5条 監督者は、障害者差別解消の推進のため、以下の各号に掲げる事項に注意して障害者に対する不当な差別的取扱いが行われないよう監督し、また障害者に対して合理的配慮の提供がなされるよう努めなければならない。 
一 日常の業務を通じた指導等により、障害を理由とする差別の解消に関し、監督する教職員の注意を喚起し、障害を理由とする差別の解消に関する認識を深めさせること。 
二 障害者から不当な差別的取扱い、合理的配慮の不提供に対する相談、苦情の申し出等があった場合は、迅速に状況を確認すること。 
三 合理的配慮の必要性が確認された場合、監督する教職員に対して、合理的配慮の提供を適切に行うよう指導すること。 
2 監督者は、障害を理由とする差別に関する問題が生じた場合には、監督責任者に報告するとともに、その指示に従い、迅速かつ適切に対処しなければならない。 
(不当な差別的取扱いの禁止) 
第6条 教職員は、その事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。 
2 教職員は、前項に当たり、別紙留意事項に留意するものとする。 
(合理的配慮の提供) 
第7条 教職員は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状況に応じて、社会的障壁の除去の実施について合理的配慮の提供をしなければならない。 
2 前項の意思の表明は、言語(手話を含む。)のほか、点字、筆談、身振りサイン等による合図など障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段により伝えられること及び本人の意思表明が困難な場合には、障害者の家族、介助者等のコミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含むことに留意するとともに、意思の表明がない場合であっても、当該障害者がその除去を必要としていることが明白である場合には、当該障害者に対して適切と思われる合理的配慮を提案するよう努めなければならない。
3 教職員は、前2項の合理的配慮の提供を行うに当たり、別紙留意事項に留意するものとする。 
(相談体制の整備) 
第8条 障害者及びその家族その他の関係者からの障害を理由とする差別に関する相談に的確に応じるための相談窓口は、以下の各号のとおりとする。 
一 何でも相談窓口 
二 苦情等処理相談員 
三 所属専攻 
(紛争の防止等のための体制の整備) 
第9条 障害を理由とする差別(正当な理由のない不当な差別的取扱い、合理的配慮の不提供等)に関する紛争の防止又は解決を図るための委員会は、以下の各号のとおりとする。 
一 障害学生支援対応委員会 
二 苦情等処理協議会 
(教職員への研修・啓発) 
第10条 本学は、障害者差別解消の推進を図るため、教職員に対し、以下の各号のとおりの研修・啓発を行うものとする。 
一 新たに教職員となった者に対して、障害を理由とする差別に関する基本的な事項について理解させるための研修等 
二 新たに監督者となった教職員に対して、障害を理由とする差別の解消等に関し求められる責務・役割について理解させるための研修等 
三 その他教職員に対し、障害特性を理解させるとともに、障害者へ適切に対応するために必要なポスター、マニュアル等による、意識の啓発 
(懲戒処分等) 
第11条 教職員(担当教員を除く。)が、障害者に対して不当な差別的取扱いをし、又は過重な負担がないにもかかわらず合理的配慮を提供しなかった場合、その態様等によっては、本学就業規則に規定する職務上の義務に反し、又は職務を怠った場合等に該当し、懲戒処分等に付されることがある。 
2 担当教員に関する前項の取扱いついては、機構等法人の定めるところによる。 
(雑則) 
第12条 この対応要領に定めるもののほか、障害者差別解消の推進に必要な事項は、学長が別に定める。 
附 則 
 この対応要領は、平成28年4月1日から施行する。
附 則(平成28年6月29日大学規則第5号) 
 この対応要領は、平成28年7月1日から施行する。
附 則(平成29年6月28日大学規則第4号) 
 この対応要領は、平成29年7月1日から施行する。 
 
別 紙 
障害を理由とする差別の解消の推進に関する教職員対応要領における留意事項 
 
障害を理由とする差別の解消の推進に関する教職員対応要領第6条及び第7条に定める留意事項は、以下のとおりとする。 
 
第1 不当な差別的取扱いに当たり得る具体例(第6条関係)
 対応要領第3条第1項及び第2項のとおり、不当な差別的取扱いに相当するか否かについては、個別の事案ごとに判断されることとなるが、不当な差別的取扱いに当たり得る具体例は、次のとおりである。
 なお、次に掲げる具体例については、正当な理由が存在しないことを前提とし、また、次に掲げる具体例以外でも不当な差別的取扱いに該当するものがあることに留意すること。
 
○ 障害があることを理由に受験を拒否すること 
○ 障害があることを理由に入学を拒否すること 
○ 障害があることを理由に授業受講を拒否すること 
○ 障害があることを理由に研究指導を拒否すること 
○ 障害があることを理由に実習、研修、フィールドワーク等への参加を拒否すること 
○ 障害があることを理由に事務窓口等での対応順序を劣後させること 
○ 障害があることを理由に式典、行事、説明会、シンポジウムへの出席を拒否すること 
○ 障害があることを理由に施設等の利用やサービスの提供を拒否すること 
○ 手話通訳、ノートテイク、パソコンノートテイクなどの情報保障手段を用意できないからという理由で、障害のある学生等の授業受講や研修、講習、実習等への参加を拒否すること 
○ 試験等において、合理的配慮を受けたことを理由に評価に差をつけること 
 
第2 合理的配慮に該当し得る配慮の具体例(第7条関係) 
 合理的配慮は、障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物のバリアフリー化、必要な人材の配置、情報アクセシビリティの向上等の環境の整備を基礎として、個々の障害者に対して、その状況に応じて個別に実施される措置である。その内容は、対応要領第3条第3項及び第4項のとおり、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的状況等に応じて異なり、多様かつ個別性が高いものであり、当該障害者が現に置かれている状況を踏まえ、社会的障壁の除去のための手段及び方法について、必要かつ合理的な範囲で、柔軟に対応する必要があるが、具体例は、次のとおりである。
 なお、次に掲げる具体例については、過重な負担が存在しないことを前提とし、また、次に掲げる具体例以外にも合理的配慮は多数存在することに留意すること。
 
(物理的環境への配慮) 
○ 車椅子利用者のためにキャスター上げ等の補助をし、又は段差に携帯スロープを渡すこと 
○ 図書館やコンピュータ室、実験・実習室等の施設・設備を、他の学生等と同様に利用できるように改善すること
○ 移動に困難のある学生等のために、普段よく利用する教室に近い位置に駐車場を確保すること 
○ 配架棚の高い所に置かれた図書やパンフレット等を取って渡したり、図書やパンフレット等の位置を分かりやすく伝えたりすること 
○ 障害特性により、授業中、頻回に離席の必要がある学生等について、座席位置を出入口の付近に確保すること 
○ 移動に困難のある学生等が参加している授業で、使用する教室をアクセスしやすい場所に変更すること 
○ 易疲労状態の障害者からの別室での休憩の申し出に対し、休憩室の確保に努めるとともに、休憩室の確保が困難な場合、教室内に長いすを置いて臨時の休憩スペースを設けること 
 
(意思疎通の配慮) 
○ 授業や実習、研修、行事等のさまざまな機会において、手話通訳、ノートテイク、パソコンノートテイク、補聴システムなどの情報保障を行うこと 
○ ことばの聞き取りや理解・発声・発語等に困難を示す学生等のために、必要なコミュニケーション上の配慮を行うこと 
○ シラバスや教科書・教材等の印刷物にアクセスできるよう、学生等の要望に応じて電子ファイルや点字・拡大資料等を提供すること 
○ 聞き取りに困難のある学生等が受講している授業で、ビデオ等の視聴覚教材に字幕を付与して用いること 
○ 授業中教員が使用する資料を事前に提供し、事前に一読したり、読みやすい形式に変換したりする時間を与えること 
○ 視覚障害の学生等が受講している授業で、板書された情報をできる限り声に出して読み上げること 
○ 事務手続きの際に、教職員や支援学生が必要書類の代筆を行うこと 
○ 障害のある学生等で、視覚情報が優位な者に対し、手続きや申請の手順を矢印やイラスト等でわかりやすく伝えること 
○ 間接的な表現が伝わりにくい場合に、より直接的な表現を使って説明すること 
○ 口頭の指示だけでは伝わりにくい場合に、指示を書面で伝えること 
○ 授業でのディスカッションに参加しにくい場合に、発言しやすいような配慮をしたり、テキストベースでの意見表明を認めたりすること 
○ 入学試験や定期試験、または授業関係の注意事項や指示を、口頭で伝えるだけでなく紙に書いて伝達すること 
 
(ルール・慣行の柔軟な変更の具体例) 
○ 入学試験や定期試験において、個々の学生等の障害特性に応じて、試験時間を延長したり、別室受験や支援機器の利用、点字や拡大文字の使用を認めたりすること 
○ 成績評価において、本来の教育目標と照らし合わせ、公平性を損なわない範囲で柔軟な評価方法を検討すること 
○ 外部の人々の立ち入りを禁止している施設等において、介助者等の立ち入りを認めること 
○ 大学行事や講演、講習、研修等において、適宜休憩を取ることを認めたり、休憩時間を延長したりすること 
○ 移動に困難のある学生等に配慮し、車両乗降場所を教室の出入り口に近い場所へ変更すること 
○ 学外実習において、合理的配慮の提供が可能な機関での実習を認めること 
○ 実習授業において、事前に実習施設の見学を行うことや、通常よりも詳しいマニュアルを提供すること 
○ 外国語のリスニングが難しい学生等について、リスニングが必須となる授業を他の形態の授業に代替すること 
○ 障害のある学生等が参加している実験・実習等において、特別に教育補助者等を配置すること 
○ IC レコーダー等を用いた授業の録音を認めること 
○ 授業中、ノートを取ることが難しい学生等に、板書を写真撮影することを認めること 
○ 不随意運動等により特定の作業が難しい障害者に対し、教職員や支援学生を配置して作業の補助を行うこと 
○ 感覚過敏等がある学生等に、サングラス、イヤーマフ、ノイズキャンセリングヘッドフォンの着用を認めること 
○ 体調が悪くなるなどして、レポート等の提出期限に間に合わない可能性が高いときに、期限の延長を認めること 
○ 教室内で、講師や板書・スクリーン等に近い席を確保すること 
○ 履修登録の際、履修制限のかかる可能性のある選択科目において、機能障害による制約を受けにくい授業を確実に履修できるようにすること 
○ 入学時のガイダンス等が集中する時期に、必要書類やスケジュールの確認などを個別に行うこと 
○ 治療等で学習空白が生じる学生等に対して、補講を行う等、学習機会を確保できる方法を工夫すること 
○ 授業出席に介助者が必要な場合には、介助者が授業の受講生でなくとも入室を認めること 
○ 視覚障害や肢体不自由のある学生等の求めに応じて、事務窓口での同行の介助者の代筆による手続きを認めること